2016年7月15日金曜日

涙の谷を渡る

ちいろば先生「旧約一日一章」より

そこでハガルは自分に語られた主の名を呼んで、「あなたはエル・ロイです」と言った。
創世記16章13節

 エジプト人ハガルの物語は読む者の涙を誘う。彼女はアブラムの妻サライの女奴隷として雇われ、サライに子がいないからという理由でアブラムの子を孕まされた。その後、彼女がサライを見下げたということで、苦しめられ、ついにいたたまれず、彼女は女主人の顔を避けて逃げ出した。

 サライが、自分に代わってアブラムの子を孕みなさいなどと言わなければ、平穏無事な生活を送ることができた。迷惑なのはハガルである。サライの犠牲者である。しかし彼女は涙の谷で主と出会った。彼女は自分に語られた主の名を呼んで「あなたはエル・ロイです」と言った。「エル・ロイ」とは「私を見たもう神」という意味である。

 目先の苦しみを避け、出来る限り安全で都合の良いような生き方を求めるのは私たちの常である。暗いところをよけ、明るい方へと逃げたくなるのはだれもが持つ衝動である。しかし、そのような生き方をだけ求めている人々には「エル・ロイ」の告白は生まれてこない。

主よ
学びを感謝します。
アーメン

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