ちいろば先生「旧約一日一章」より
そこでヤコブは、すべての事をラバンに話した。
(創世記29章13節)
ヤコブは父をだまし、兄を裏切り、その怒りを逃れて、はるばるハランの地にある叔父の家にたどり着いたのである。彼はこれから叔父の好意を美しい娘ラケルの関心を得なければならない。そのようなときに、彼は「すべての事をラバンに話した」のである。何一つ隠さず、狡猾さを秘めた自分の本当の姿をすべてさらけ出したのである。
いったい彼はどうしてそのような大胆さに生きることができたのであろうか。それは彼があのルズびにおいて、神から「わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り・・・」という言葉を聞いたからである。彼はそこで自分を赦し、愛したもう神に出会ったのである。そのとき、彼はもはや自分からさえ自由になることができたのである。
けっして好ましいとは言えないヤコブの経歴を聞いた叔父は、なんと「あなたは本当にわたしの骨肉です」と言ったのである。本当の交わりは真実に生きることであり、真実は自分からも自由になることで初めて生きるようになるものである。
主イエス・キリストの十字架は、もはや私たちに隠すことを不必要とした。すでにどんなに罪悪に満ちていようとも贖われたのである。ここに立つとき私たちはお互いに「あなたは本当にわたしの骨肉です」という交わりを生み出していくことができるのである。
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