あなたがたのうちにある異なる神々を捨て、身を清めて着物を着替えなさい。
(創世記35章2節)
ヤコブはシケムの地に祭壇をたてて、これをエル・エロヘ・イスラエルと名付け、イスラエルの神こそ神であることを告白した。しかしこの地で彼は思わぬ事件に出くわし、追われる身となった。これが娘ディナにまつわる忌まわしい事件である。
ヤコブは神の声を聞く。神はベテルに上り、そこに祭壇を築けとヤコブに言われた。思えば金100を持って買い取った土地と祭壇がシケムに地にあった。ベテルに上るということは、これらのものを捨てることを意味している。
自分を過去の行跡から断ち切ることはいかに難しいことであろうか。私たちは神のみ旨を知りつつも、なおそこにとどまってしまうことが多い。なかなか一度手にしたものを捨て去ることなどできないものである。
しかし神に出会うためにはベテルに上る必要がある。そこに神の家があるからである。
ヤコブは家族たちに言う。「あなたがたのうちにある異なる神々を捨て、身を清めて着物を着替えなさい。われわれは立ってベテルに上り、神に祭壇を造ろう。」
この言葉にヤコブの信仰心を見ることができる。これまでの長い歩みで身につけた神々を捨て去り、まったくむなしいものとなって、神に出会おうと決心したのである。ここでいう異なる神々とは、心を奪われているものをさす、例えば、お金や土地、家族、これがないと生きていけないと思い込んでいるものをいう。
主の許しによって、どんなに過去から自由になったとしても、古いままでは神と交わることはできない。内にある異なる神々、すなわち自己中心の思い、お金や地位や名誉、身分など、これがないと生きていけないと思うものを捨て去り、身を清め、着物を着替えて、新たな装いで主にぬかずく。
主の下僕(しもべ)がとるべきことが書かれてあった。
願わくば
わたくしにも主の名を崇めさせてください。
天に主の名が轟きわたっているように、
この地にも主の名がおよびますように。
私をお使いください。
主の御名によって、お祈りをお捧げいたします。
アーメン
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